愛しのさびれ系ホテル

クラシックホテルからコロニアルホテル、じわっとくるホテルまで

お遍路さんの宿(高知県安芸郡田野町)

四国八十八カ所を巡って参拝する「お遍路さん」
GWの土佐路では、歩き遍路さんをたくさん見かけた。背中に荷物を背負い、1番から88番まで(逆回りも)、40~50日間歩いて回る。一度にに回るのを「通し打ち」、何度かに分けて回るのを「区切り打ち」というそうだ。あきらかにそれとわかる外国の方もいるのは、キリスト教の巡礼文化があるからか。

さて、そんなお遍路さんの宿はどこに?どんなふうに予約するのか。その日の天候や体調、懐具合など、選ぶ宿は違ってくるそうだ。

昔ながらの「遍路宿」は、1泊2食で6千円ぐらい。古くからの旅館や民宿タイプ。最近は民泊型(?)も増えた。自宅の一室や、アパートなど、1泊素泊まりで2千円ぐらいから。別料金で食事を出すところもあるが、コンビニや食堂ですませるところが多いらしい。予約はインターネットや電話で、その日の午後1時までに連絡を、とあった。

高知県の東部、田野町にある「旅の宿美園」。美園さんという面倒見のいい女性あるじの宿。二世帯住宅を宿にしている「民泊」タイプ。男女別のドミトリーと雑魚寝部屋がある。1泊素泊まり2800円、夕食600円、朝食400円(料金は目安)。看板は私の母が墨で書いたもの。田んぼの中に見えますが、近くにはごめんなはり線「田野駅」、道の駅「田野駅屋」、ローソンも徒歩5分圏内。


「旅の宿美園」高知県安芸郡田野町 
「お遍路ハウス88」のホームページからも予約が可能。https://henrohouse.jp/ja

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ザ ホテルヨコハマ(神奈川県横浜市)

2000年よりも前に横浜に住んでいたなら、きっと「ザヨコ」の名前を聞いたことがあるはず。ちなみに横浜では、三日住めば皆「ハマっ子」である。

「ザ ホテルヨコハマ」は、1979年の開業以来「ザヨコ」として、ハマっ子に親しまれていたホテル。堂々とした「ホテルニューグランド」のような憧れの存在ではないが、一度は行ったことがある。そんなホテルだった。

2003年に「ザ・ヨコハマノボテル」になり、2006年には「ホテルモントレ横浜」と名前を変えて今に至る。が、モントレになってから利用したことはない。目の前には、山下公園イチョウ並木、氷川丸の横浜港とベイブリッジ。景色も建物も変わってはいないけれど、遠のいてしまったのは、全てが「ウェディング推し」だから。レストランも「特別な日」のためのものになり、カフェもコーヒーショップもない。


なんと横浜で結婚式をするカップルには、市長からお祝いのメッセージが届く(事前申し込みが必要)。横浜市と横浜観光コンベンション・ビューローとの「横濱ウェディング」事業のサービスのひとつ。祝福する気持ちはあるけれど、このあたりから港の景観がテーマパーク化し、ホテルをイベント会場へと変えてしまったような気がしてならない。

私の住むヨコハマにも、上質な日常のちょっとした句読点みたいなホテルがほしい。

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山下公園のインド水塔
(写真は「横浜市環境創造局」のサイトからお借りしました)


 

レストラン ラ・マーレ(神奈川県三浦郡葉山町)

お隣の港の碑には「日本のヨット発祥 葉山港」とあったけれど、個人的にはやっぱり鐙摺(あぶずり)漁港のフレンチレストラン。

「さびれ系」とは言い難い(言えません!)。美味しいものを楽しむ人でいつも賑やか。なのに冬になると少しだけ空いてくるのはなぜだろう。こんなに素敵な冬の日に行かないなんてモッタイナイ。「さびれ系」は「モッタイナイ系」でもある。

白い瀟洒な洋館に群青の海。もうそれだけで胸いっぱい。2階はコースでいただくフレンチのレストラン。ちょっとドレスアップして出かけたい。と言っても、肩ひじ張らないレストランだから、親戚のちょっとした集まりなんかにもいい。エレベーターがないのが玉にキズではあるけれど。

でも、なんといっても休日のブランチにフラリと訪れたいのは、1階のカフェ。黒板に書かれたメニューを眺めながら、思いを巡らせる至福のとき。舌を焼くような熱々のきびなごのフリット、具だくさんのガンボスープ下仁田ねぎがド~ン!の一皿。海山の幸、畑の恵みをチャチャっと料理して、ハイッと出してくれる(←イメージです)。夏なら行列必至のところ、冬ならば、正午前なら確実に…そう、期間限定の「さびれ系」。

このたびはじめて気がついた。この1階のお店の正式な名前は、ブラッスリー&カフェ「HARRY'S」だった。久しぶりに行ったら、テラス席がずいぶん増えていた。どこか海辺のプチホテルへ行ったような気分になれる。スタンダードプードルのようなデッカイ海鳥が、浜からこっちを見ていた。

ブラッスリー&カフェ HARRY'S ★★★★☆
(2017.11.25)

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