愛しのさびれ系ホテル

クラシックホテルからコロニアルホテル、じわっとくるホテルまで

ザ ホテルヨコハマ(神奈川県横浜市)

2000年よりも前に横浜に住んでいたなら、きっと「ザヨコ」の名前を聞いたことがあるはず。ちなみに横浜では、三日住めば皆「ハマっ子」である。

「ザ ホテルヨコハマ」は、1979年の開業以来「ザヨコ」として、ハマっ子に親しまれていたホテル。堂々とした「ホテルニューグランド」のような憧れの存在ではないが、一度は行ったことがある。そんなホテルだった。

2003年に「ザ・ヨコハマノボテル」になり、2006年には「ホテルモントレ横浜」と名前を変えて今に至る。が、モントレになってから利用したことはない。目の前には、山下公園イチョウ並木、氷川丸の横浜港とベイブリッジ。景色も建物も変わってはいないけれど、遠のいてしまったのは、全てが「ウェディング推し」だから。レストランも「特別な日」のためのものになり、カフェもコーヒーショップもない。


なんと横浜で結婚式をするカップルには、市長からお祝いのメッセージが届く(事前申し込みが必要)。横浜市と横浜観光コンベンション・ビューローとの「横濱ウェディング」事業のサービスのひとつ。祝福する気持ちはあるけれど、このあたりから港の景観がテーマパーク化し、ホテルをイベント会場へと変えてしまったような気がしてならない。

私の住むヨコハマにも、上質な日常のちょっとした句読点みたいなホテルがほしい。

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山下公園のインド水塔
(写真は「横浜市環境創造局」のサイトからお借りしました)