愛しのさびれ系ホテル

クラシックホテルからコロニアルホテル、じわっとくるホテルまで

大沢温泉自炊部「湯治屋」(岩手県花巻市)

行ったことのある人も、ない人も、知ってる人は口をそろえて「行きたい!」と目を輝かせる岩手県花巻市の「大沢温泉」。宮沢賢治ゆかりの温泉でもある。

 
「1200年前に発見されたと伝えられる大沢温泉。近代和風旅館の山水閣、160年前の茅葺の別館菊水館、200年以上前の建物の湯治屋。趣の異なる三棟でお過ごしいただけます。6か所の温泉・露天風呂で湯めぐりを楽しめます」(大沢温泉公式サイトより)

 素晴らしい口上、色とりどりの写真、時代を超えた温泉テーマパークなのか。いつかは…と思っていたら、その機会は意外と早くやってきた。今回で17回目になるドキュメンタリー映画の上映会「はなまき映像祭2017」。はるばる行く気になったのは、宿は大沢温泉と聞いたから。二日間にわたる映像祭、上映映画の監督やスタッフ一同、観客も「大沢温泉自炊部 湯治屋」で温泉大合宿なのだ。

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(MAPは「大沢温泉」公式サイトからお借りしました)

 

映画の上映から地元の方々のごちそう尽くしの交流会ののち、宿についたのが21時頃。どこをどう通ってきたのか、まったく不明。あたりは真っ暗、ギシギシと鳴る階段、廊下にズラリと干された手拭い。絵にかいたような湯治場だった。さっそく温泉に入り、おじさん、いえ、カントクたちの大部屋で宴会の続き。お布団の誘惑に抗えず、そこそこで寝てしまったけれど、おじさんチームは深夜まで、ふすま一枚隔てたお隣のイケイケ若者チームと交流していたそうだ。

 朝いちばんで豊沢川沿いを散策。風情ある茅葺の家、ランプの内風呂、水車、木の橋、川向うから丸見えの露天風呂や炊事場など。リアル温泉テーマパークは、予想以上に魅力的だった!きのうは入れなかったレトロなお風呂にも入り、食堂で純和風の朝ごはん。賢治先生と教え子たちの記念写真など眺め、今度はもっとゆっくりしたいと宿を後にした。

 

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大沢温泉 自炊部「湯治屋」 合宿のため個別料金不明(一泊朝食 5千円以下) 
★★★★☆(2017.9.16-17)

宿代は季節により変動。室料お一人2,000円弱から。掛布団200円、敷布団200円、シーツ70円、枕10円、毛布200円、浴衣200円…などなど、昔ながらの積み上げ算方式(税別)。別途入湯税70円が必要。WiFi完備(無料)。予約は公式WEBから。